私が体験した生涯でたった1度の復縁のお話

復縁

先日実家で部屋の掃除をしていたら、懐かしい元彼との写真が出てきました。確か付き合い始めて初めて撮った写真です。写真の中の元彼と私はまだ若く、二人とも希望に溢れています。

しばらく眺めていましたが、ありがとうと呟き処分する袋へ入れました…

「復縁」という言葉で思い出すのは、この写真の元彼Nです。何度も復縁をしたいと思った人でした。生涯の中でそんなに復縁したいと望み、復縁と別れを繰り返す人とはそう出会わないと思います。

そういう意味で彼は、私の思い出の中で消えることのない人になりました。

彼と出会ったのは、私が人生を模索していた二十代の頃、ようやく初めて自分がやりたい事を見つけて大阪のH劇団に入った時でした。私は入りたての予科生で、同じ志の仲間と楽しい日々を過ごしていました。

ある日、まだレッスンまで時間があったので待合室へ行ったのです。その時、1人だけで座っている男性がいました。冬だったので分厚いジャケットを羽織って髭があったので何だが熊みたいだなと思ったことを覚えています。

劇団員は知らない人でも挨拶は必須なので、彼とも挨拶を交わしました。とても優しそうな人だなと思いました。その時彼から、今度の舞台の公演があるから良かったらぜひ観にきて下さいと言われました。

劇団がオリジナルで作っている舞台でした。その劇団は予科・専科・本科のクラスの他にもミュージカルクラスや舞台専門のクラスがあり、彼は劇団に入って10年目で既に専科までいき、長く専科所属でしたが、今は舞台のクラスにいるとのことでした。

予科に入りたての私からすると、1歳違いでこんなに色々演劇のことを経験してるなんてすごいなぁと思いました。

勉強も兼ねて舞台を同じクラスの人と観に行き、それがきっかけで彼と付き合うことになりました。

演劇に対しての憧れと尊敬から入った彼との関係は、世界が開かれたように感じ、とても楽しかったです。世の中の知らなかったことなども教えてくれました。

けれど私にとっては初めての経験が多く、聞いたり驚いたりしたことはあっても、私が彼に何か教えたりしたかと問うと、なかったように思います。今にして思えば私はまだ子どもでした。

それから1年、突然彼から別れを告げられたのです。

私はその頃専科のクラスにいました。振られた理由は今ではあまり思い出せないのですが、別れようとはっきり言われたことは覚えています。

初めて1年も付き合った人から告げられ、人生初の失恋を経験しました。自分を否定されたようで、こんなに悲しくて辛いものなんだと丸1日は泣いていました。

妹には話を聞いてもらったと思います。それ以外は誰にも相談せず、ただひたすら元彼の気持ちを受け止めていました。けれどしばらくは復縁したいと元彼のことを引きずっていました。

でもその日から元彼に電話やメールはしたりはしませんでした。私の性格上できませんでした。いくら復縁したいと思ってもしつこくすると嫌われるし、そんな勇気もなかったのです。

それから失恋の傷も癒えはじめたある日、元彼からメールが来ました。

失恋してから何故嫌われたのだろかと悩み、復縁したいと考えたり、色々な復縁に関する本を読んだりもしましたが、できるだけ前向きに日々生活をするようにしていました。そんな中の元彼からの私の近況を聞くメールです。私は振られた側なので嬉しくてメールを返信しました。

それから電話でも話すようになりました。その頃の私は嫌われて振られたと思っていたのに、そうじゃなかったのだと分かりホッとしたのだと思います。

振られて悲しかったことや傷ついたことなどすっかりどこかへ飛んでしまいました。復縁したいと思い悩んでいたことなどすっかり忘れて、また話をしたり、食事をしたりするのが楽しくなりました。

今思うと本当に何も知らず、まだまだ世間知らずでした。けれどその時の私は復縁とまでは行かなくても満足でした。

その頃は二人とも劇団は辞めて就職して働いていました。

相変わらず彼は大人でいろいろ教えてもらうことが多く尊敬していました。前より少しは私も意見が言えるようになっていました

でも、付き合ってるのかどうなのか、時々連絡をとって近況報告をしてまた長い間連絡を取らないという状況が何年か続きました。

その間私には別の彼もできましたが彼を越える人には出会いませんでした。時々とる連絡のたびに私もいろいろな経験をして、時には元彼にダメ出しを出来るぐらいまでになっていました。

出会った時よりズケズケと何でも言えるようになっていました。復縁したいとかあまり考えなくなっていた頃、私にプロポーズしてくれる人が現れました。

その話をすると、元彼Nが「結婚なんてしたらだめだから、俺とまた付き合おう」2回目の告白をしてきたのです。あんなに復縁を望んでいた私でしたが驚きました。

でも、別れてからも遠く離れてはいたけれど、私のことを見ていてくれた彼を私もまだ好きでした。そうしてまた元彼と付き合うことになったのです。

でもその後しばらくして、また私は振られました。結婚はできないと彼が思っていたからでしょう。理由はいろいろとありますが、お互い適齢期になっていました。

2回目の失恋は厳粛に冷静に受け止めました。

今度は不思議と復縁したいとかいう気持ちも、自分を卑下する気持ちもありませんでした。ただ一緒にいられないという事実だけに向き合い、その日だけは思う存分泣きました。けれど翌日からは泣かないだろうと思いました。

それから月日は流れました。

最後に元彼とメールで話したことはよく覚えています。お互いこれが最後だと何と無く思っていたのでしょう。

その時の私は何も知らなかった私ではなく彼と対等に話せる女性になっていました。元彼に「今迄いろいろあったけど、振り返ると一度も嫌いになったことなかったよ。お元気で。さようなら。」と送りました。

最後の最後は、私から彼に私の気持ちを言えたと思いました。たったそのことこが、何より彼と過ごした証でした。

それから数年が経ち、現在私は結婚して幸せな毎日を送っています。今まで人並みに恋愛をして振ったり振られたり、泣いたり笑ったりして男女の機微というものを私なりにですが、いろいろと経験しました。

それらは今の自分のために全て必要だったということを改めて思います。

人は自分が経験して納得したことは決して忘れないものです。復縁とは縁があれば結ばれるものですし、なければ離れていくものです。

意図的に復縁をしたいからと復縁に執着するのではなく日々成長できるように自分の生活を楽しんで下さい。元彼が自分の成長に関わってくれた大切な人になれば、そしてその人の幸せを望めば、あなたにも大きな幸せが訪れます。

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